MBA始めました

女性活躍の様子が会社のサイトに掲載されていた。
育児と仕事の両立を、周囲が理解している、キャリア形成のため勉強している、といった内容だ。勉強は、英語とMBAの通信教育。もちろん会社負担だ。向学心はすばらしいが、通信教育を受けたところで、望むキャリアは得られない。
会社負担の研修や自己学習がたくさん用意されており、キャリア形成のために、上司と相談して、受講することができる。受講することが、キャリアアップに熱心であることのアピール材料になっており、承認する上司も部下に成長の機会を与えた、として人事評価の加点になる。この安易な2つを勧めた上司は、英語は話せずMBAも取得していないので、加点目当てか、自分では判断できないため部下に選ばせたのだろう。履歴書に「MBA」を書くと箔が付くと言われ、仕事をしながら大学に通ったりする社員が多かったが、MBAを取得したからといって実務において何の変化もない。「ビジネススクールに通ってMBA取得」と堂々と言ったり職務経歴に書かないので、本人も、成果を実感しておらず、アピールすると、MBA的で責任ある仕事を課される怖さから、静かにしているのだろう。ビジネススクールの宣伝にハマってしまったようだが、受講の成果を仕事に反映しない受講者は、給料から受講料を引けばよいのだが、成果を判断できないので、簡単なレポートで終わっている。無駄だと思うが、学習の機会を惜しみなく提供してます、といった社外に向けたアピールで、優秀な社員を獲得する狙いがある。それが会社なのだ。
下火になったMBAに対して「がんばります」と希望に満ちた文章が綴られた記事を読んだ優秀な人は入社しないだろうから、MBAの経験が仕事に活かされるまでを綴った文章に修正するよう部下に求める管理職が現れることを願う。