成果を求められない改善策

毎年、全社員対象に職場環境の調査がある。
管理職はリーダーシップを発揮しているか、何でも言える環境か、評価は公平か、やりがいがあるか等の質問に点数を付ける。この結果は、上級の管理職の評価になる。調査結果は、部長から部下に伝えられるが、低スコアを出した時は、会議室が寒くなる。「この結果に対してコメントありますか?」と聞かれて、部下達は「低スコアの原因は何だと思うか?」と尋ねたいところを「この質問の解釈は人によって違ったのでは?」といった訳のわからないコメントをしてやりすごす。この後、下々は飲み会で祝杯をあげる。
これが上長の評価であるとともに部署の評価という面もあり、全員で改善プランを立案し実行しなければならない。スコアの高低に関わらず、問題を見つけてより良い職場環境を築く、ということだ。1年通じて行い、進捗報告をしなければならないので地味に面倒なのだ。低スコアで喜んでいるだけで終わらない。
何が問題なのか、何をすれば改善するのかを全員で話し合い、1年間その改善進捗を上長に報告する。労力をかけない改善策はだいたい決まっており、交流会や勉強会をランチタイムに行う。
ところが、、、低評価の部長はすぐに去り、1年以内に約半分は入れ替わるので、成果不明のまま、次の調査がやってくる。皆、わかっている。これも”仕事”なのだ。