あこがれのマイホームの30年後

建物やインテリアを見るのが好きで、建もの探訪や隣のスゴイ家をいつも見ているが、ちょっと意地悪な気持ちになる。
30年後、この家はどうなっているのだろう、、。
新築の家やおしゃれなインテリアに魅了された視聴者は、消費者となる。「衣食住」の中で最も高額な買物だが、立派な家を持つことは社会的地位を確保できるから人々はマイホームを目指す。
若い時は楽しいが、子供が成人して家を出て、夫婦で暮らす頃には古くなっている。解放感のある吹き抜けは寒く、おしゃれな階段はつまずく、庭木は大きく成長し梯子を使わないと手入れできず、芝生の手入れは体力が要る。夫婦どちらか病気になると広い家は管理できなくなる。買う時は簡単で(お金さえあれば)、売る時は買ってもらうために改装や価格設定等の時間的・金銭的負担がかかってくる。
親のマイホームの処理に困っている人が多くなってきているのではないだろうか。親の家の改修や売却で苦い経験をした人が増えると、住宅販売事情も変わってくるかもしれない。
人生半分をすぎた私は、家を買わない。残す財産もないので、老化が進み行動範囲が狭くなった時は、サービス付き高齢者住宅に入り、余生をすごす計画である。