1年で最も嫌いな時期が来た、人事評価である。
管理職になってからずっと他人の給料を決めるのが嫌だった。管理職の仕事であり、その業務に給料が支払われるのだから、やならければならない。評価した後は翌年の初めに評価を伝えなければならない。この期間は苦痛だ。低い評価を伝える日は、会社に行くのが嫌で食欲が減り寝不足になる。
成果は数値だけで決まるのではなく、行動も評価される。行動の評価が公平に行われることはない。人事部が評価方法を説明するのだが、割り切れないところがある。そこに気を取られるのは精神衛生上良くないので忘れることにした。ステークホルダーフィードバックで周囲の人達から部下の行動について意見をもらうというシステムがあるが、ほとんどコメントする者の主観である。良かった点と悪かった点を簡潔に書く人はありがたいが、必要以上に褒め言葉を並べ実務内容がわからなかったり(コメントしたくないので褒めているのかもしれない)、直近の仕事で険悪な関係になってしまった感情をコメントに入れてくることがある。人間は自分の都合の良いことを言う生き物だと割り切り、他者からのフィードバック=評価として、客観性や公平性について深く考えないようにしてきた。他者から良く見られるような行動をとることは、ご機嫌取り(ゴマすり)かもしれないが、業務に支障をきたすことはないので、協調性あり、として評価した。ストレートに意見を言う人は上司によって評価が分かれ、評価会議で揉める。評価会議でのせめぎ合いも節度を保たないと自分の評価にかかってくる。
年を重ねるたびに疲れが増して管理職を降りたいと思うほど嫌になっていた。会社は評価される所であるから、嫌なら辞めるしかない。来年会社を辞めるので評価から解放される。
今年で終わりだと思うと苦痛が和らぐ。