リスキリング
新たに必要となる仕事に順応できるようにスキルを習得することで、人材確保を狙った取り組みのようだ。経済産業省の資料を見ると、DX戦略に焦点を当てている。世界のDX最先端に届いていないと日本の経済成長は鈍化するからDX関連の人材の確保は必要だ。シニア社員がスキルを得ることは困難であるから、ひとりで仕事ができるようになる35歳から知力・体力のある45歳くらいまでの社員にデジタルスキルを習得して欲しい、ということだろう。
DXの職に就いて給料をもらう専門性はどのくらい勉強したらよいのか、DXに疎いので予測できないが、簡単なことではないだろう。
会社は「皆さん、リスキリングをやりましょう」と訴えるが、内容は単発の外部研修や英語、趣味の延長で社会貢献的なお気楽なものまで入り、新しいことをしたらリスキリングという解釈になって経済産業省の定義するところから外れている。
ダイバーシティ、ワークシェアリング、エンゲージメントなどカタカナを使って目新しさを出しているものの、実態は何をやってるのかわからない社内活動と同じ様相になっている。
再雇用されて現役時代の仕事をそのまま続けるデジタルに疎いシニア社員に定年前の3割の再雇用の給料であっても払える余裕のある会社はないだろう。
同じ会社に残るなら、どんな仕事であれ常に新しい知識やスキルの習得は必要である。
ショートカットキーを使う、Teamsの機能の把握、LINEやX、facebookの違い等の身の回りのデジタルツールの活用など、仕事をする上で必要なデジタルスキルの習得なしで再雇用はないと覚悟して欲しい、と本人を前に心の中で呟く。