宿の送迎車での90歳の男性の会話
「毎日やることがない」
「こうして気楽に遊べるから、まあよしとするか」
90歳でひとり本州の半分を新幹線でやって来るのだから元気なお年寄りである。
車に乗って最初に言ったのが「毎日やることがない」だ。
頭がクリアだといろいろ考える。病気になって思考力がなくなった方が日常のつまらなさを感じなくてよいのかもしれない。
やりたいことが山のようにある。
何でもできるのは50歳のうちだ。60歳になってから新しいことはできない。
若い時は、高齢者が近くにいても考えることはなかったが、親の介護や自分の老化を感じる今、長生きは楽しいものではないと思うようになった。
やっぱり今の仕事辞めよう。
誰もいない温泉に浸かりながら考える。