降格はないが、部門間の揉め事の調整、顧客の表敬訪問等、年の功が活かされる仕事が増え、プロジェクトのリーダーや判断権限は激減するシニア社員。部長クラスになると、他人に指示したり、判断を下すだけで実務はないため、指示や判断の仕事が無くなると時間が余る。
周囲は「給料に見合った業務なのか?辞めたらいいのに。」と陰で言われる。
時間を持て余すことで周囲が良く見えるので、周囲の反応が今までと違うと感じて退職を意識するが、
・無職になったら1日何をしていいかわからない
・定年前に辞めると満額の退職金がもらえない
・今辞めたら、「暇だから辞めた」と思われる
など、欲とプライドが旺盛なシニアは辞めない。年収そのままで転職できないので会社にしがみつくしかないのである。
そんなシニア社員に、リスキリングという耳障りの良い育成制度が登場。
人生100年、定年65歳、ダイバーシティ、、、政府の方針にそって改革しています、という会社アピールでしかない。「やります」だけで具体的なプログラムは存在しない。
半世紀を生きた人間に新しいスキルが備わることはない。体力と知力は40歳から後退する。
会社が本気でリスキリングを導入したら、シニア社員はスキル習得に及ばず、定年前の退職者が増えるかもしれない。