他人の評価

一番やりたくない仕事だ。
毎年一回の人事評価の時期は、会社に行きたくない、辞めたいと苦しみ、一日憂鬱で病気になりそうだった。評価指標はあるがしょせん人間が評価するのだから、公平ではない。私が評価しても上司が下げるし、私が下げても上司が上げる。同じ評価で並ぶと誰かを下げなければ給料の原資内におさまらない。部内だけでなく他の部と調整が入ることもある。
給料上がっても他人の評価はしたくない、辞めようと決心してほどなく他部署から管理職が入ってきて評価者の任務は終了となった。
人事評価は仕事だと割り切る精神力がない。人事評価以外の管理職の仕事にやりがいがあれば管理職を続けるだろうが、部下育成や組織構築等も全く興味がない。手を動かさずアドバイスすることも苦手だ。人間の観察は好きだが、他人の領域に入ることができない。管理職になりたくないと思う人は会社に貢献していない。会社が必要とする人材ではないので評価が低くて当然だ。
退職を目論んでいるので必要とされなくてもよいと思っている。態度に現れるとよくないので努めて普通にすごしているつもりだが、毎日会話する同僚にはバレているかもしれない。