自己開示を避ける

半日研修が入った。
案内が唐突なので、上層部でコミュニケーションを強化しようとなったのか、アピール材料であろう。
その日は在宅勤務で夕方から遊びの予定を入れており、出社したくなかったが、全員参加、会議はキャンセルとの命令で、しぶしぶ出社する。
トレーナー登場。自己紹介と研修目的を紹介。
3年前に同じトレーナーから研修を受けた。話す様子からトレーナーは社風を熟知している。常に組織が変わり、離職率が高いことも知っているだろうから、「この人達は1年後会社にいるのかしら。」と思いながら心理的安全性、多様性などを説明しているのだろう。
トレーナーは言う。
「自分のことを話してください。自分の弱い所を共有してください。まわりの方は、いろいろ質問してください。活発に話しましょう。ここで話したことは研修以外では話さないでください。」
自己開示すると心理的安全性が高くなり、活発な意見交換がなされ生産性が上がるだろう。
オープンに話すことは会社生活で必要であることは理解しているが、研修で開示するという状況に抵抗がある。
普段の会話で仕事以外の話もするので、それが自己開示の場である。わざわざ研修で自己開示しなければならない程コミュニケーション障害が起こっているのかと疑ってしまうが、障害がなくても研修を実施したことが上層部の成果だ。「コミュニケーション」という耳障りの良い言葉が良い評価になる。
ネガティブ思考になり、研修のために自己開示する気がなくなり、最小限の自己開示をした。