約8年前、女性の営業管理職が誕生した。
会社は女性管理職の割合30%を目標としていたので、女性活躍推進法を意識していたのかもしれない。対象者に「課長にならないか」と上司が打診したので、課長候補の評価基準は闇である。30歳前半から40歳前半あたりがターゲットになっていたが、殆ど30歳代であった。
女性課長達は、女性だから抜擢された、昇格試験なしで課長になったと周囲から見られながら一生懸命働いていた。
彼女達は、今、本社の営業関連の部下なしの内勤職に就いている。課長からさらに支店長になった人も内勤職だ。子育てが忙しく外勤が困難になって内勤を希望するようだ。部下なしで、責任のない仕事なので楽になっているが、まだ40歳である。10年後でも50歳である。子育て終了の時期に支店長の職はない。昇格なら内勤で実績を積んで部長を狙うが、職級が上がると椅子取りゲームも激しく、そのような場では、出世欲の塊の男性に負ける。彼らは全身から欲オーラが出ており、実績を積んで上司の心を掴んでいる。
欲オーラ全開の女性もいるが、1日の全てを仕事に捧げる強者である。
女性と男性が等しく働く世の中になるのは、女性活躍推進による社会の変化を知らない世代が社会人になる頃ではないだろうか。まだ戦争をしている人間という生き物は、簡単に変わることはない。
あの時、課長にならなくて良かったと、選択は間違っていなかったと安堵している。
営業職や給料・役職に関心がなかったので返事ひとつで断った結果、専門職の仕事に就いて、その職を全うし、いつ辞めてもよい状態になっている。