寄せ書きは苦手

常に退職者がいる風通しの良い会社であるが、12月と3月は特に退職者が多い。
寄せ書きやプレゼント・花束贈呈の募集やWeb送別会の案内メールが届く。今は寄せ書きは電子で申し込んで印刷されたものが退職者へ送られるそうだ。
手配をかって出た人には申し訳ないが、その人のセンスがわかってしまう。センスは自分が基準なので他の人は感じないかもしれないが、残念な企画もある。
・男性にピンクの花束贈呈
・寄せ書きの色紙が安っぽい、書き込みに自由度が少ない
・Web送別会で思い出シーンが退職者ばかりで在職者には誰なのかわからない
・本人と親しくしていない社員の心がこもっていない送別の言葉(原稿の棒読み)

心からお世話になった人には寄せ書きでは足りない感謝を伝えたいので、直接伝える。社交辞令で書かれた色紙はいらない。捨てるのに困る。寄せ書きは苦手でも、何が書かれているか見るのは楽しい。退職者が上級職、中間管理職、一般職で寄せ書きの言葉が異なるのも興味深い。
・いつも素敵な笑顔で癒されました
・強いリーダーシップはピカイチです
・●●さんなしで成功しなかったでしょう
・あまり接点はなかったのですが、お世話になりました

「お世話になりました、新天地でのご活躍をお祈りします」「ますますの健康とご活躍をお祈りします」といった定型文が多い色紙は、退職者と社員の距離が反映されておもしろい。受け取る退職者はどんな気持ちで寄せ書きを読むのだろう。
コロナで社員のコミュニケーションが薄れ、退職者への感謝を伝えるために今までより寄せ書きやWeb送別会に力を入れるようになった。
贈り物は、品物に名前が刻まれることはなく、花束は1か月もしないうちになくなるが、寄せ書きや集合写真(現在はWeb画面ショット)は、外部との打ち合わせや休暇、通院などの言い訳をして遠ざかる。何度か参加しなかったので、周囲は「この人は、寄せ書きや写真は好きではないようだ」と認識しているかもしれない。自分が退職する時、そっとしておいくれることを期待する。