定年まで働く、と周囲に言う背景がいろいろあって興味深い。
家族や周囲の期待に応えるために最後まで働くという人がいる。仕事をしなくなったらやることがない、時間を持て余すという理由から出来るだけ働くというのは自分のことだが、周囲が定年前に辞めることを認めていないらしい。
「まだ働けるのになぜ辞めるのか?」
「家にいて何もしない様子をみたくない。」
「平日の昼に出入りすると近所で噂になる。」
「住宅ローンが残っているのに辞めるのか?」
「子供には定年まで勤めあげる姿を見せるべきだ。」
他人の様子が気になるのが人間の性であるが、特にサラリーマンは、他人の目を無視できない性が染みついているので、辞めたくても言えない。リタイア宣言して周囲と距離を置かれてしまうより我慢する。
我慢が特技のサラリーマンは、定年まで勤めあげるのだ。
その我慢スキルは定年後の社会的接点の中で活かされて欲しいが、脳の老化は抑制する思考も奪うので期待できない。
定年45歳、リストラ、役職定年などとネットやテレビでみかけるが、自分が50歳代だから定年に対して注目するのであり、世の中の定年に対する考え方は変わっていない。