周りの50歳代は皆言う。
現在は定年60歳だが、定年退職する頃には65歳に延長されたら65歳まで働くと。
彼らの目標は「定年まで勤める」である。やりたいことが「働く」ことなのだ。アーリーリタイアを目指す人は、働くことを止めるのだからまったく逆である。
定年まで働きたい人は、働かない生活が想像できないと言う。1日何をしたらいいかわからないようだ。引退してぶらぶらすることが人生だと思っている。
では、定年まで働きたい人は仕事が好きか、というとそうではない。目標を達成した時や顧客から感謝された時は幸せであるが、上司からやりたくない仕事を課されたり、顧客の苦情対応をすることもある。仕事をするということは何らかの責任を負っているわけで、心底「仕事大好き」な社会人はいないだろう。仕事を好きにならないと仕事を続けられないのだ。ビジネス書やセミナー、研修で仕事を楽しくする手法や思考が提供されるが、これらは仕事の辛さを緩和する痛み止めのようなものだ。痛み止めが効かないか痛み止めを使わない50歳代は所持金の目途がついたところで辞めるだろう。
他人の言動に関心があってビジネス書を斜に構えて読み、講師の話に頷いても頭の中は別のことを考えている私は痛み止めが効かないようだ。
「定年まで働きたい」をよく聞く今日この頃、おやじ達に幸あれ。