地方移住は覚悟がいる

政府は東京圏から地方に移住する世帯に18歳未満の子供を帯同した場合、現在の1人当たり最大30万円から100万円に引き上げる方針を出した。少子高齢化が進む地域に対する対策である。起業したら200万円支給されるらしい。
自治体によってはさらなる支援金や家賃補助等があり、都会で暮らすより安く暮らせるように見える。
本当だろうか?
初年度は多額の支援金のおかげで出費は抑えられるが、生活の場を移すということは、それなりの覚悟がいる。県庁所在地で、そこそこ便利な地方でも東京に比べると不便さを感じる。中都市から離れ目の前が大自然といった場所は別世界である。365日そこに居るのだ。

「これ欲しい!」「これ見たい!」「これ聴きたい!」と思ってすぐに渋谷や新宿に行けない。
→インターネット頼り。気合入れて新幹線や特急で行くと出費。
友達に遊びに誘われても、すぐに行けない。
→そのうち誘われなくなる。旅行は現地集合になり、移動に時間がかかる。

慣れない生活である。政府の300万円(起業しない場合は半分以下)と自治体の支援金を合わせても500万円くらいで、費用目当てに移住する人は続かないだろう。
以前から移住を考えていて生活が激変することに対する覚悟があり、「支援金があると楽になる。」と思う程度がよいのではないか。
テレビやネットで地方移住して大満足な人達が紹介されているが、本当に満足なのであれば、地方でも都会でも外国でも暮らせる精神力(”無関心”も精神力)の強い人だろう。その精神力が養われた経緯に興味があるが、自分には無理である。