他に何かありませんか?

「ありません」と言ってはいけない。何か意見を言わなければ無能とされる。
「他に何かありませんか?」が出る会議の多くは参加者の意見が一致していない。空気がよどんでいる。
興味がない、発言すると反論される、次の会議のプレゼンを空想している等いろいろある。誰か何か言ってよ、と皆心の中で呟いている。
やっと誰かが当たり障りのない意見を言ってお開きになればいいが、その意見が議長や部長の関心を寄せてしまったら、議論が振り出しに戻ってしまうことがある。今は、テレカンなので表情がはっきりわからないが、眉間に皺を寄せたり、音声・ビデオOFFで「おーい、やめてくれよ」と言う人がいるかもしれない。
最も怖いのは、参加者が知らない組織変更や戦略に関して部門の責任者が説明した後「何かありませんか?何でもいいですよ」が発せられた時だ。皆、動揺している。空気が重い。説明する責任者は重くなることは予想できたであろうから、「何かありませんか」を言うことで、静寂は回避できる。部下は、賞賛の言葉を並べ喜び組になる。説明で使ったや文章をそのまま発言するとブレないので、質問されることもない。
会議終了後、部下達の間でチャットが繰り広げられる。
翌日の会議は空元気な雰囲気で始まる。