本やネットなどで仕事を辞めずに介護を続ける方法が紹介されているが、介護にかかる時間がゼロになることはない。お金で解決することは可能だが、施設やケアマネと全く連絡を取らないということはない。身内の介護を心配しない者はお金で解決する前に縁を切るだろう。多くの人は親の介護で悩んでいる。同年代で集まると親の介護の話が必ず入る。遠距離介護、介護施設が見つからない、本人が入所拒否等いろいろだ。私の親は、介護認定から看取りまで6年だった。本人も余計な治療はせず死なせて欲しいと何度も言っていたので、最期は施設で家族やスタッフに見守られ逝った。介護認定当初、本人は現実を受け入れられず感情が乱れ荒れていたが、徐々に身体機能が低下しておとなしい爺さんになった。老いていく親をみるのは辛かったが、皆に見守られ安らかな死を迎えることができて後悔はなく満足している。この満足は、介護にかけた時間や労力の成果だと思う。
・在宅勤務が許されており、介護施設の近くで仕事をすることができた。
・医療に近い業界で仕事をしており介護サービスや医療環境等の理解が容易であった。
・親と同居しておらず、適度な距離を保っていた(子に頼らない生活)。
・私が独り身なので、いつでも対応できた。
これらの要因で、時間や労力を割くことができたが、親も6年間で大暴れせず(男性職員には厳しかったが、、)おとなしく老いていったのは幸いであった。残る母親は父親の介護をみて、同じで良いと言ってくれた。親に感謝である。
私のように何とか乗り切って後悔のない介護を全うした人はいない。皆、仕事と養育でいっぱいで介護について調べたり、施設に様子を見に行く時間はない。親は自分の思い通りにならないことで不機嫌で、その不機嫌は認知症を悪化させることもある。悪化すると入所先が限られてしまうことがある。
仕事や養育で疲れてさらに面倒な介護問題、50歳は他者を支える最後の年代かもしれない。
どうか悔いのない介護を全うして欲しい。そんな思いで友人の介護話を静かに聴いている。話すことで少しでも楽になれたら。