残り少ない在籍期間を業務に集中して過ごしたいところが、聞きたくない情報が入ってくる。
「プロジェクト」と聞いた時点で聴覚神経を遮断したくなる。ITの進化、業界を取り巻く社会構造の複雑化、新型コロナウイルス感染拡大等、環境が変化し、社員の配置や職務内容の変更が必要だが、大きく変えると辞めてしまうので、新しい部署やプロジェクトを作り、そこに人員を充てて、少しづつ社員を動かしている。新設されたプロジェクトをまとめる部門は、プロジェクトを作るのが彼らの仕事であり、何か課題を見つけ、その課題の根拠作りに調査や提案を外部に委託し予算を取り、絵に描いた餅のプレゼンを行い社内承認を得る。何も問題がない、は評価されない。課題に対する改善策が明らかとなりその改善策の実務担当が決まれば、プロジェクトは終わる。社長も含め3年経てば殆ど人が入れ替わるので、プロジェクトの成果は闇の中。
意味がないプロジェクトでも、関わった人達が、この仕事を通じて論理的思考や合意形成の取り方を学び、次の仕事に活かされるだろう。プロジェクトは成果を求めるのではなく社員の成長の場だと思い、絵に描いた餅を感情を排除して聞く。