新型コロナウイルス感染拡大から1年半、人々はこのウイルスを理解しつつある。
インフルエンザは、予防や治療法があるが、新型コロナウイルス感染症は、治療薬がなく、症状が進行して死亡するので人々は恐れる。今は、ワクチンや治療薬があり、予防も徹底しているので、ようやくこの新しいウイルスと向き合っていく心づもりができたように思う。
人間は生まれてから死ぬまで、たくさんの病気に罹りたくさんの治療を受けている。自分が何なのかわからない赤ん坊の頃から予防接種を受け、風邪をひいたら抗菌薬や解熱鎮痛薬、お腹の調子が悪いと止瀉薬や便秘薬、花粉症には抗アレルギー剤など、今までに体の中に入っていった薬は数知れず。
健康に気をつけていても癌になるし、加齢に伴い代謝が悪くなり若年者と同じ健康状態を維持することができない。40歳を過ぎたら、生活習慣病や更年期など、何かの病気とともに人生を歩むことになる。
治療を受けたことがない人はいないわけで、殆どの人が生きるために、病気の予防対策をして、病気になれば治療しているのである。予防して治療しても不幸にして亡くなることもある。日本は4~7人に1人はがんで死亡するそうだ。新型コロナウイルスが注目されているが、他の感染症や感染症以外の病気で死亡する確率の方が高いのではないか。
テレビで「この状態、いつになったら戻るのでしょうか」「3回目の接種は安全なのでしょうか」とテレビの出演者がコメントしている。視聴者を代弁しているような語りだが、さらに不安や疲れを助長している。
人々が健康に関心を寄せている今だからこそ、感染症とはどういったものか、病気で亡くなるとはどういうことかを伝えるべきではないか。がんや難病も感染症と同じく死亡リスクが高いのだ。
3回目接種やクラスターのコメントが鬱陶しいので、コロナ関連情報はニュース以外は見ないようにしている。